No.001

MoMA ニューヨーク近代美術館名作展
東京・上野の森美術館
2001年10月6日〜2002年2月3日

text : mama

 第一回目はMoMA ニューヨーク近代美術館名作展です。何を第一回にしようか迷ったんですが、やはり私の中ではこの展覧会の印象が凄く強くこの展覧会からにしました。この展覧会はMoMAの増改築の時期に合わせて行われ、普段はMoMAから出る事の無い貴重な作品が展示されるという事でたいへんな人出でした。ピカソやゴッホ、シャガール、クレー、セザンヌ、ブラック、ミロ、カンディンスキー、ダリ、ポロック、モンドリアンや他にも名前はあげませんが誰もが知っている巨匠の作品が一度に観れる事はめったにないでしょう。その中でもピート・モンドリアンは私は大好きな画家です、モンドリアンの作品を生で観れたのは本当に感動でした。
 この展覧会で一番感じた事は「不変性」ということです。アートには絵画・彫刻などジャンルにとらわれることなく不変性が大事な事です、この展覧会で展示された作品は1889年から1955年に制作されたものですが、今もなおその不変性をたもっています。ピカソの作品は奇妙で違和感を感じます、当然発表された当時の人々でもピカソの作品は、奇妙で違和感を感じ今まで自分たちに無かった価値観を感じたのでしょう、それが現代に生きている私にもつたわるというのは本当に凄い事ではないでしょうか。モンドリアンにしても不変的な形があります、モンドリアンの作品をみて70年以上も前に描かれた作品だと信じられません、その当時は本当にショッキングな作品だったと思います。これらの作品が今から50年100年と時が経ってもこの不変性は変わらないでしょう。
 作品の見方は人それぞれあると思いますが、私が思うのは凄くシンプルに作品を観ていいと思います。自分にとって良いか悪いか、好きか嫌いか。自分だけの価値観を大事にして、とは言っても自分だけの価値観を持つというのも案外難しい事かもしれません。特に日本人は他人が付けた価値観を信じて、自分で物に価値を付けるという事が苦手のようです。皆さん一度そこらへんのゴミ箱をあさってみると自分なりの価値観がみつかるかもしれません。