No.246

私は芸術全般を論理的に理解している。
だからダンスも映画も、
造形も音楽もファッション、
全て批評できる。
(今こそ批評性が大切な時代)

text : mama(美学者母)
2018年5月3日(木曜日
)執筆

 

最近の創造者というのは、
批評される事が非常に少ないのだと思います。

仲間内や一定のコミュニティの中で、
持ち上げあいながら、
全く良くないものが評価され、
それを無自覚に受け入れている。

それは良い面もあれば悪い面もあり、
一概に悪いとは言い難いわけです。

それはそう言った事実で、
経済が回ってしまうので、
一つの形態として機能します。

しかしそれは、
もうそれ以上の者になれないというのが、
一番問題点だと私は考えています。

それは創造者たる者、
概念的アウトラインをいかに広げていくか、
それが創造者たる所以だと考えているからです。

世界を限定して、
小さい世界で生きていくのは、
私は創造者とは呼びません。

どんな世界にも内向きの世界というのはあります。
特に私が生まれ育った大阪府岸和田市などは、
小さな村社会で色々なものが回っていますから、
それは当然ビジネスやクリエイティブでも同じです。

いわゆるマイルドヤンキーな世界で、
スクールカーストが大人になっても有効です。
つまり、 小学校、中学校、高校などで、
人気がありリーダー的な人間は、
そのまま大人の世界の権力者となるわけです。

そして、
岸和田などの地元で、
色々な活動やビジネスをやっていこうと思えば、
それなりのスクールカーストの上位者との繋がり、
また世代間の人脈などで、
その人の価値は決まってきます。
それはその人の実力とは無関係に、
その仕組みがその人のある意味価値を決めるのです。

この様なコミュニティの仕組みは、
私はあらゆるジャンルで観てきました。

ファッション、音楽、アート。
言ってみればどこも同じ様な構造で、
実力とは関係なく、
コネや人脈が一番大切な力です。

私はその様な事が根っから大嫌いなわけです。

その様な部分でも、
私は自分自身の地元である、
岸和田というコミュニティからは、
あえて距離を置いて活動しているのも事実です。

コネや人脈とか糞だと考えているからです。

実力や才能があるものがちゃんと評価されるべきです。
私にはそんな根底があるからこそ、
「批評」という、
ある一定の尺度を持って客観的に評価する。
その様な行為を大切にしてきました。

その上で、
やはり今まさに批評というものが、
とても大切だと再認識しているわけです。

現代はインターネットで色々な表現を、
写真や動画で観る事が可能です。
以前ではそのコミュニティで止まっていたものも、
多くの人に観られてしまう状態なのです。

先日、弾き語りの前で、
コンテンポラリーダンスをしている映像が、
Facebookに流れてきました。

僕は20年以上コンテンポラリーダンスが好きで、
長い間観てきていますが。
とてもじゃないですが、
語れるレベルにありません。

しかしFacebookで皆んなに絶賛されている。

この様な光景は、 音楽、ダンス、映像、絵画、写真、
あらゆるもので見受けられます。

これが小さなコミュニティの「痛さ」です。

身内に絶賛されて満足している人たちです。

インターネット時代にこういう人達が増殖しています。

このインターネット時代だからこそ、
やはり批評というものが非常に必要な時代だと、
最近とても強く感じています。

私はアートを専門としていますが、
芸術全般を批評する事ができます。

それは芸術構造というのは、
造形、音、映像、ダンス、等、
その構造は芸術構造としては、
同じ構造を有しているからです。

例えば僕はファッションの、
コム・デ・ギャルソンの批評をする事もできるし、

日本語ラップの、
ZORNを批評する事もできる。

コンテンポラリーダンスなら、
ピナ・バウシュを批評できるし

映画なら、
タル・ベーラも批評できる。

私はこれらを一つの構造として、
論理的に説明する事ができます。

 

先のFacebookのダンサーの話に戻りますが、
もしあなたが創造者なのに、
批判されずに、
身内に持ち上げられているだけの人だとするなら、
それは非常に不幸な事だと思います。

それはあなたを批判的に捉え、
何がダメで何を良くすればもっと良くなるのか、
その様な言葉をくれる人が絶対的に必要だという事。

今回は先述したFacebookのダンスを観て、
あまりにも寂しく感じた、
悲壮感が半端なかったので、
この様な文章を書かせていただきました!!!

 

それではっ。

 

 

 

美学者母

 

 

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