No.289

実の姉が先日癌で亡くなりました、
享年44歳。
そして免疫チェックポイント阻害薬
「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」で
ノーベル賞の受賞が決まった本庶佑さん。
(生きる意味と死ぬ意味の意味、
生きる無意味と死ぬ無意味の無意味、
その無意味さを、
生きる意味と死ぬ意味の意味の狭間で)

text : mama(美学者母)
2018年10月3日(水曜日
)執筆

 

先日実の姉が癌で亡くなりました、
享年44歳。

とても若くで亡くなってしまいました。

約5年前に母親を亡くしまして、
どんどんと一番近い身内を亡くしていっております。

あとは年老いた父親がいますが、
近しい身内はその父親だけになります。

そんな事を言っている私も、
明日明後日、
いつ死んでしまうのか分からないわけです、
私も日々大切に、
一日一日を過ごしております。

ちょうど姉が亡くなり、
葬式の日に、
本庶佑さんのノーベル賞決定のニュースが届きました、
なんか色々と複雑ではありました、
本庶佑さんは、
癌のチェックポイント阻害薬、
「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」、
でノーベル賞の受賞が決まったわけですから、
もっと早く臨床に回っていれば、
姉も死なずに済んだのに、
という人間らしい、
「たられば」の世界が渦巻いてきたのです。

 

しかし本当はどうなのでしょうかね、
医学と生死という対立軸、
とにかく永く生きる事が、
「人間にとっての善」なのか、
その様なある種哲学的な命題は、
これからどんどんと大きくなる問題でありましょう。

少なくとも私は「悟り」を経験した、
この世に生きる人間として言えることは、
人は「意味の無意味の意味の狭間」を、
言ったり来たり揺らめきながら、
生きてそして死ぬのだと考えています。

つまり人間は「概念世界」からは、
死ぬその時まで、
「逃れる事」はできません。

私も「悟り」の経験をしたとは言え、
母が死ねば泣くし、
姉が死ねば泣くし、
自分が病気になれば死を恐れます。

自分の死を考えれば、
「怖くて怖くて仕方ありません」。

しかし確かに私は、
「意味も無意味も、またその意味も」、
何もない世界があるのを知っています。

それは「空」や「縁起」というものです。
しかし私は、
「生きている人間」ですので、
その場にとどまる事はできません。

だからこそ、
生死の悲しみを知り、
恐怖を抱くのです。

そして母や姉の死を経験し、
「生きるとは何か」という事に、
本質的な真理を理解するのです。

 

生きるとは、
「生」という「エネルギー」の、
ゲシュタルトなのです。

そして「死」とは、
その「ゲシュタルト崩壊」なのです。

人間は熱力学第二法則によって、
エントロピーは増大します。
この概念世界は、
どうあがいてもある種カオスな方向へしか、
向かっていかないわけです。

再度ゲシュタルトしても、
それ以上のエネルギーが必要である為に、
カオスさはそれ以上になります。

これが私たちの宿命なのです。

 

つまり医学がいくら永く生きれるように、
進歩しても、
それ以上に何かを犠牲にしなくてはならないのです。

ある種その綱引きが「生命の哲学」の臨界点となり、
医学が命を延ばすことへの敗北となるのでしょう。

まさに私は母や姉の生死を目の当たりにし、
「人間の命」は「刹那」なのだと、
さらに確信するのです。

私は「時空」には真理は無いと確信しています。

それは私たち「人間世界の詭弁」なのです。

私が考える真理とは、
「刹那」であり「塊」なのです。

私たちの存在とは、
「カオス」にある「塵」の様なもので、
そこは「空」や「縁起」です。

 

しかし最後に言っておきたいのは、
今まさに私たちは「人間世界」を生きています。

「真理」がいくらそうであっても、
私たちは「幻の様な」、
「人間世界」を生きているわけです。

つまりこの「人間世界」を、
どうサバイブしていくのか、
それは「人間」だからこそ、
向き合い真摯に受け止めなければならない。

「意味のある世界を生きている」、
「無意味な世界を生きている」、
「意味の無意味な意味の世界を生きている」、

これは全て間違っていないものです、
ですから「人間の世界」とは、
ある種言い換えれば、
「矛盾の世界」なのです。

その「矛盾」をどう解釈し、
あなたはこの「人間世界」をどう生きていくのか、
どう「サバイブ」していくのか、
それが「人間力」というものでしょう。

この様に、
この文章を「書いている私がいる」

この様に、
この文章を「読んでいる貴方がいる」

 

そして日々を「無我夢中」に、
生きていきましょう!!!

 

 

 

 

美学者母

 

 

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