No.003

ジェフ・マクフェトリッジ作品展
東京・パルコギャラリー
2001年6月29日〜7月30日

text : mama

 ちょうど2001年頃は東京に行く機会が多々あり、このジェフ・マクフェトリッジ作品展も、渋谷を歩いているときにたまたま宣伝広告を見てパルコギャラリーに行く事にしました。この展覧会を観にいくまではジェフ・マクフェトリッジの事は知りませんでしたが、いざこの展覧会に行ってジェフ・マクフェトリッジのこれまで手がけてきたデザインなどの紹介を見てみると、今まで自分が影響を受けてきた映画や服、本など様々な物をジェフ・マクフェトリッジが手がけている事を知り驚きました。私は自分の知らない間に色々な媒体を通じジェフ・マクフェトリッジの作品を観ていたのです。例えばソフィア・コッポラの映画「ヴァージン・スーサイズ」の落書き文字を使ったタイトルシークエンス、Milk Fed.のロゴやイラスト、StussyのTシャツ、Burtonのスノーボード、マーク・ジェイコブスのためのファブリック・デザイン、そしてビースティー・ボーイズによるグランド・ロイヤル・マガジンのアートディレクションなど。私が今まで興味を持って見てきたものに、数多くたずさわっています。私はこの展覧会を観てはじめて自分がジェフ・マクフェトリッジに影響を受けている事に気づきました。不思議ですよね、今まで自分が知らず知らずの間に自分が知らなかった人間に影響を受けていたというのは。デザインの世界ではこういう事は数多くあります、アートの作品と違ってデザインではデザイナーとしての名前が表に出ない事が多いので、自分が知らないうちに一人のデザイナーの作品を、違った場所、違った媒体で自分が好んで見ている場合が皆さんもあるのではないでしょうか。アートとは違った力をデザインに感じる事ができました。ジェフ・マクフェトリッジの日本初となったこの作品展は、これまでのデザインワークを発展させたような作品を展示していました。絵画やシルクスクリーンの他に、壁紙,家具、キャラクターグッズなども展示され、ジェフ・マクフェトリッジの表現を、あらゆる表現方法によって感じとる事ができました。
Geoff McFetridge
(ジェフ・マクフェトリッジ)

1971年4月2日、カナダ・カルガリー生まれ。
カナダのアルバータ・カレッジ・オブ・アート&デザインでデザインを学び、1995年、キャルアーツの博士課程を修了。卒業後、Grand Royal誌のアートディレクションを手がける。その後、自らのデザイン会社を設立、アニメーションワークも含む、多角的なデザインワークを行い、個展なども開催。新感覚を持ったデザイナー&映像アーティストとして高く評価されている。