No.001

みどりの小宇宙 小品盆栽

photo : mama
text : mama

 第一回目は小品盆栽店におじゃましました、こちらのお店はそこらへんの園芸店とはちがい、本格的な小品盆栽店です。
 お店の前に並べられた盆栽、どれもかわいい盆栽ばかり。この小さな盆栽の中にも日本的美というものを感じます、しかし盆栽は日本で生まれたものと思われている方が多いですが、実は中国から入ってきたものなんです。中国では盆景とよばれています。
 日本のアートとして海外でも広く普及している盆栽、こちらの店にも海外からのお客さんも来るそうです。どうして中国の盆景ではなく、日本のBONSAIが欧米に普及したかというのにも色々理由があり、その一つに盆栽をいちはやくアートとしてとらえた事が契機となって日本の盆栽が欧米に広がったようです。
 赤い実がなった苔玉、特に苔玉は女性などに人気があり、雑貨屋などでも置いている店が多いです。
 店内にも多くの盆栽がありました、盆栽のおもしろさはやはりスケール感が狂うというところにあるのではないでしょうか、盆栽以外にもミニチュアの車や人形などスケール感が狂う物はたくさんあります、しかし盆栽がそれと違うとしたらそれは生き物だという事でしょう。それが盆栽のよりおもしろいところではないでしょうか。
 盆栽はこの小さな空間の中で、木や草の姿と配置を整えて、山水の理想の景観を想像し、培養しながらその景を楽しむものです。盆栽は本当に奥が深い。
 石も奥が深いようで、何千年もかけて自然に丸くなってきた物、石には時間を超えたものを感じます。
 こちらの盆栽はまさに風景そのもので、下に黒い石のような物がありますが、それは家を表現していて、盆栽には実が一つなっている。私はこれを観て子供がその実を木の棒で取ろうとしている所に、持ち主の頑固そうなおじいさんが出て来て、子供が怒鳴られている。なんて風景を想像してしまいました。こんな見方もいいですね。
 私が一目惚れしたニレケヤキの小品盆栽を購入、帰りに店主の奥さんに大事にしてあげて下さいの一言に、一つの命を預かった重みを感じました。