No.0099

東京五輪エンブレム問題

text : mama(美学者母)
2015年8月16日(
日曜日)執筆

 

また東京オリンピックでもめ事発生してますねぇ。
新国立競技場につづきエンブレム盗作問題、
その上に、その周りの所謂「ムラ」の問題や、
その「ムラ」の人間の盗用問題。
これはインターネット時代の「光と陰」でしょうか。
これ僕からの視点で言いますと、
「インターネット時代にムラ社会は成立するのか」
という大きな問題に繋がると思います。
所謂インターネット時代において、
クローズド社会は生き残るのだろうかという事。
実は最近の出来事すべてに言える事なのですね、
例えばアートの「会田誠」の問題、
例えば新国立競技場の「ザハ」の問題、
そして東京オリンピックの「佐野」の問題。
実は20年以上前なら問題にならなかった事ばっかり、
これらがなぜ大きな問題になるのかってのは、
インターネットというものがすべてを、
「オープンソース化」してしまったからなんですね。
これは「認知」問題であるのですが、
そもそも人間は「認知」しなければ「存在」しない、
という大前提があるわけです。
すなわち、オープンソース化すると。
すべての人々に「認知」されるという事です。
今までは「ムラ」の人間だけで認知されて、
そこに「決済」する権限があったのですが、
今はあらゆるモノがオープンソース化されてしまい、
その「ムラ」の決済する力がなくなってしまっているのです。
僕自身は「アートのオープンソース化」、
を目指して活動していますので、
このような動きは大歓迎なのです、
なので「アート」の「価値」や「権威」がいかに「幻想」か、
という事をひたすらロジカルにオープンソース化していきます。
その上で、 今回「東京五輪のエンブレム」の問題がオープンソースになり、
今後この問題がどのように収束するのかというのが注目です。
ある意味この問題は日本のクリエイティブ社会の方向性を、
大きく左右します。 それは「デザイン村社会」だけに留まらず、
「アート村社会」「クリエイティヴ村社会」全体に波及します。
既得権益を持っている「村社会」と、
既得権が無い「オープンソース社会」とのガチンコの戦い。
これは正直もう勝負はついていて、
「オープンソース社会」が勝利を収めているのです。
ここからが注目なのですが、
この「クリエイティブ村社会」の住人達は、
この後どう尻拭いをし、どう事を納めていくのかです。
その象徴的な事象が東京五輪のエンブレム「佐野研二郎問題」。
今後、このエンブレムがどうなるか。
また彼らの「ムラ」がどうなるか注目していきたいですね。
最後に、 今回東京オリンピックのエンブレム盗用の直接的な説明。
造形的原理やデザイン原理、 また二次創作などの制作面については、
あえて一切触れていません。
それはそもそもこの問題が造形的原理などの、
創作、創造といった領域の問題以前の問題であります。
そのような造形的な見解も私は持ち合わせていますが、
今回はそのような説明が不要であると判断致しました。
今後どのような対応や動きを見せるか皆様も注目しましょう。

美学者母