No.0100

日本アート社会とインターカラーからみる
日産アートアワードという出来レース

text : mama(美学者母)
2015年8月16日(
日曜日)執筆

 

数年前に日産アートアワードというのができまして、
一回目は確か「宮永愛子」が受賞されました。
しかし、この日産アートアワード以前から、
宮永愛子は日本のアート社会で猛プッシュされていたのは、
僕だけが知っている事実ではありません。
それに加え、 宮永愛子はナフタリンの昇華という現象を作品にしたという、
しょ〜もない作品です。
その作品が日産アートアワードのグランプリで、
そもそも、 日産アートアワードは日本人作家の国際的プレゼンスを、
高めるためという名目で創設されたものですが。
僕の目からみれば、
より日本人作家の世界的プレゼンスを無くすものでしか無い。
簡単に言うなれば、
この日産アートアワードは。 日本の「アート村社会」「クローズド社会」を、 いかにも「オープン化」しましたよっていうフェイクなのです。
これはインターカラーのような構造と非常に良く似ています。
皆さんはインターカラーをご存知でしょうか?
インターカラーというより「流行色」と言う方が解りやすい。
最近はその「流行色」も陰が薄くなってきています。
インターカラーは国際流行色委員会という、
まさに「流行色」を決める機関なんですね。
意外に知られていませんが、
「流行色」とは人為的に作られた、 ただの「規格」なのです。
これはある一定の「既得権益」を確保する為に行われています。
それはあらゆる産業、
とくに繊維業などはその色を大量生産できる様に準備しています。
この流行色は2年前に決定されています。
しかし、最近ではその流行色も流行しない色になっています。
ようは日産アートアワードで選ばれる「作家」は、
インターカラーの「流行色」と同じなんですね。
つまり業界の「規格」を作って、 既得権益を確保し、
利益の最大化を計る場所に過ぎません。
ようは色んな業界のパワーバランスや利益確保などで、
色々な派閥が集まって話合い「作家」「流行色」を決める。
このような構造です。
未だにこんな事をしているのが日本のアート社会です。
まだ世界のアートマーケットの方が、 市場原理が働き健全だと思えます。
というか宮永愛子の作品が。
世界的なアートマーケットでどれだけの価値があるのでしょうか。
村上隆より高価に取引されているのでしょうか。
まったく世界ではプレゼンスなんて発揮できてないわけです。
もう受賞から2年が経とうとしているのに。
日産アートアワードなどは出来レースです。
そしてそれを支えているのは、
日本の「クローズド社会」であり「日本アート村」なのです。
世界は、とくにアメリカなどはアートマーケットの成熟とともに、
アートがオープンソース化されています。
市場原理というものも一つのアートのオープンソース化です。
僕はアートのオープンソースを目指していますが、
少なくとも日本においてはアメリカのような、
アートマーケットを中心にしたオープンソース化は難しい、
その様に考えていますが。
少なくともこのような見せかけの、
日産アートアワードのようなものは潰していかなければならない。
今年も日産アートアワードが行われグランプリが発表されます。
そんなものは糞です。 作られた「規格」を僕たちはぶっ潰すべきです。
もっと「オープン」にアートがされるべきであり、
糞みたいな「権威」「利権」は絶対に許しません。
日産アートアワードの発表を前に、
この文章を書かせて頂きます。

美学者母