日本人がまったく知らないアメリカの「負け犬白人」たち
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50253
今回アメリカ大統領選挙が行われ、
次期大統領にドナルド・トランプが指名された。
これは民主主義の終焉なのか、
それとも本質的な民主主義のはじまりなのか。
啓蒙思想やフランス革命以後、
理性を中心とした、
人間の倫理や規範を元に、
この世界は民主主義的に、
社会を定義づけてきた。
しかし現代に来て、
その理性をベースにした、
社会秩序は危ぶまれてきている。
そもそも純粋理性や絶対理性などが存在するのか?
それは、
現代まで人間にはその様なものがあるとされ、
その上で社会は秩序立てられてきたのである。
しかし現代の「大きな物語」の終焉とともに、
その理性をベースにした、
倫理や規範さえも多様化してきたのである。
それは当初啓蒙主義やフランス革命が目指した、
純粋理性や絶対理性をベースにした、
その思想を打ち砕こうとしている。
今世界で何が始まろうとしているのか。
それは、
まさに理性というある種の人間らしさ以上に、
人間の動物としての本質である野性が表層してきたのである。
ここで根本的に民主主義の根幹が揺るぐのである。
理性というものがあるのと同様、
さらに深部には、
人間の動物的野性がある事を、
私たち人間は忘れていたのではないだろうか?
野性とは、
ある意味、支離滅裂であり論理的ではない、
しかし動物にとって必要な感性で、
時に人間的理性よりも、
瞬発的に正しさを明示してくれるのである。
つまり人間の根幹は、
人間的理性よりも、
動物的野性にあるのだ。
これは元より、
アメリカ大統領選の結果を観れば、
誰も否定する事はできない。
今回のアメリカ大統領選は、
一部の知識人では、
南北戦争のシミュレーションだと言われている。
そこから考えるに、
これはある種現代の戦争であって、
虚像の理性をうたった民主主義から、
本質の野性を剥き出しにした民主主義が始まった。
そう考えると、
この出来事は、
本当の意味の民主主義の勝利なのである。
この現象は世界的に広がっていく、
あの、
啓蒙主義とフランス革命の様に。
啓蒙主義とフランス革命で、
ある意味力を持った、知識人。
そして論壇や権威。
そんなものが無力化する。
それはもう日本において、
知識人の言説や言葉が何の力も持っていない現代、
それを体現している。
これは本当の意味の民主主義の夜明けで、
マイノリティの知識人よりも、
マジョリティの一般人。
すなわち多数であることの力を、
マジョリティ自身が気付き始めたのである。
美学者母