No.174

DeNAの元ライターの私が思う
グーグル検索の臨界点

text : mama(美学者母)
2016年12月4日(日曜日
)執筆

 

さて、
DeNAのキュレーションサイトが、
大問題になっていますね。

実は僕もDeNAの某サイトで、
ライターをしていましたし。
その他色々なサイトでも、
ライターのフィールドワークをしていました。

なのでこのキュレーションサイト周辺の事は、
まさに私は経験者としてお話しできます。

まぁ基本的になんでも足を突っ込む美学者母ですwww

今回のDeNAの炎上は、
Welqという医療系のキュレーションサイトで、
僕は直接このサイトでライターはしていません。
また医療系という事もあり、
その専門性が問われるジャンルでもあり、
その上で炎上が起こった形になりますが。
基本的にDeNAのキュレーションサイトは、
同じ運営方法ですので、
僕の経験も交えて考察していきたいと思います。

まず炎上の表層的理由として、
嘘、コピペ、盗用、医学的問題など、
様々言われています。

しかし本質的な理由として、
誰も言っていない事が、
実は今回の大きな原理だと考えています。

それは「グーグル検索」です。

私はインターネット時代のメディア研究として、
キュレーションサイトのライターをしました。
そして現代のメディアにおける価値が、
「グーグル検索」において、
大きく変容している事に着目しています。

それは、
現代のグーグルなどを中心とした、
インターネットメディア環境下では、
情報の価値とは、
その情報の中身や内容には無いという事。
すなわち「質」が「価値」では無くなっている。

そういう現実を目の当たりにしたわけです。

では現在のメディア価値とは、
それはまさに、
「グーグルに上位検索される」事が、
メディアとしての価値となっているのです。

端的に申しますと、
内容が糞みたいな記事でも、
1000万PVあるほうが、
内容が素晴らしくても、
0PVでは、
メディアとしての価値は、
内容が糞な方が、
価値はあるわけです。

すなわち、
いかに観られるかというのが、
インターネットメディアの価値なわけです。
そしてインターネットメディアが主流の現代、
その価値がイコール情報価値になるわけです。
これは実は革命のようなもので、
情報が質ではなく視認数に応じるというもので、

ある意味これも、
情報の民主化と捉える事ができます。
さらにいうと、
今世界中で起こっている政治的革命は、
このような本当の意味での、
あらゆるものの民主化がベースにあります。

先日お話しした美術専門誌の「美術手帖」などもそうですが、
すなわちこの様な権威を持った雑誌も、
情報の民主化で淘汰されていくでしょう。

DeNAはWelqの炎上で、
運営するメディアをほとんど閉鎖しました。
この様な動きは、
その他のキュレーションメディアにも、
大きな影響をもたらす事が予想されます。

この事件はインターネットメディアの分岐点、
そうなると考えています。
では今後、
インターネットメディアや、
あらゆるメディア環境はどうなっていくのか?

それは完全に「個人化」していくと思われます。
最先端のメディア環境は個人化されてきています。
今後は企業や法人などのメディアは、
信用されない時代になってきます。

それに変わって信用が生まれてくるのが「個人」です。
今後は私もそうですが、
個人運用のメディアが主流となってきます。
それは購買起点となるインフルエンサーをはじめ、
あらゆるジャンルにおいて、
個人がメディアの中心になってくるでしょう。

例えばアートの情報なら美学者母のメディアとかねwww

そこで考えるべき事が、
「グーグル検索」です。
SNSの登場以来「グーグル検索」の力は、
多少弱まったように思えますが、
今後このようなグーグル検索上位検索に、
信用が無いという事が広まれば、
まさにSNSなどの個人間の情報が、
グーグルを勝ってくる時代が、
もうそこに来ています。

おそらく、
ここ数年でグーグルは、
根本的な原理原則や哲学を改めて、
検索を再構築しなければ、
SNSなどにその座を譲る時代がくるのだと、
そう私は予想しています。

つまり今回の炎上の根本原理は、
グーグル検索であるという事。
つまりDeNAのWelqなどは、
そのレギュレーションに最適化させただけで、
企業としての目的は達成しているという事です。

もちろん色々な問題はあるにせよ、
その問題を許しているのは、
そもそもグーグルなのです。

企業のメディアとして、
グーグル上位検索される事は、
ある意味収益化と直結するわけですから。
しかし今回は結果的にDeNAの企業の存続まで、
危ぶまれる状態になっていますが。

僕の予想では、
このDeNAの炎上が起点となって、

本格的な「個人メディア時代」が、

きたのだと確信しています。

 

美学者母