No.190

伝統とは何かという話

text : mama(美学者母)
2017年1月10日(火曜日
)執筆

 

なんか、
最近よく日本の伝統を再考しろ、
みたいなフィードがよく流れてくる。

この日本の伝統は、
いつ頃創られたもので、
本当の伝統では無いとか。

しかしだ、
よくよく伝統って考えた方がいいのではないか?
例えば日本語一つにしたって、
昔話していた日本語と、
今話している日本語はぜんぜん違うわけ。
でも日本語は日本の伝統ある言語である。。。

例えば縄文土器なども、
ある一定期間創られていただけで、
その後は大きくその様式を変えている。
そして現在は各地の窯元で、
色々な陶器や磁器が創られている。
しかしこれも日本の伝統の陶器である。
基本的に伝統というものは、
その時代に生まれる様式なのであって、
その時代の様式は、
次の時代の様式(伝統)へと引き継がれていく。

つまり伝統とは常に更新されているもので、
今もなお、
日本の伝統は新しく更新され、
新しい日本の伝統が創られている。

僕たちが作った日本人らしさは、
ある意味日本の伝統として、
未来の日本人に引き継がれていくのです。

天皇制のあり方、
神道のあり方、
あらゆる作法など、
それらも含めて、
その時代の日本人たちが、
その時代に合わせた日本的解釈で、
定義づけるのであって。

普遍性を持っているものが、
伝統という考えは、
あまりにも浅はかで馬鹿だと思うのです。

逆にそれを否定するなら、
否定するあなたの伝統という定義を、
しっかりと説明していただきたい。

日本の伝統というものは、
まさに今を生きている日本人、
そのものに宿っている、
精神や魂にこそ原理があり。

その表層的、
出来事や作法は、
常に更新されている。

そして、
また現生の日本人の出来事や作法、
それもまた伝統となるのである。

 

 

美学者母