昨今、
様々な業種業態の企業で、
イノベーションという言葉をよく耳にする。
そこで、
私は一般企業にも芸術家が必要な時代に入ったのだと、
実感しているのである。
それはイノベーションというものが、
今までの研究開発などの、
テクノロジー主導のものではなく、
芸術性主導のものであると考えるからである。
今後、
先端的な芸術家は、
一般企業と連携し、
顧問芸術家などの形で社会にコミットしていく、
その様な未来が来るであろうと予想する。
そこで少し具体的な例を挙げてみる。
日本で生まれたimodeを例に説明したい。
imodeは携帯にインターネットを持ち込み、
その当時では先端的なものであった。
しかし、
その後iPhoneが生まれ、
imodeはその座をiPhoneに奪われる事になる。
では一体imodeとIPhoneに、
どの様な違いがあったのであろうか。
まずimodeはテクノロジーの延長線上にあり、
iPhoneは芸術の延長線上にあった。
そこが、
端的に最大の違いであり、
両者の勝敗を分けた一番の要因である。
その様な要因からも、
私は企業などに、
顧問芸術家というものを導入する事を、
強く勧めるのである。
iPhone以前までの研究開発というものは、
テクノロジーの先端の事を指していたのであるが、
iPhone以後のいわゆるイノベーションは、
芸術性の事を指しているのである。
それはimodeとIPhoneを見てもよくわかる。
携帯にインターネットを取り入れたという部分では、
imodeの方がiPhoneよりもずっと先手だったわけだ、
さらにiPhoneだけを見ても、
iPhoneには特別新しいテクノジーが使われていない、
ではなぜここまで差が生まれてしまったのか、
それは芸術的問題なのである。
芸術的問題とは、
意味や概念の転換の術である。
簡単に言えば、
imodeはあくまで携帯の延長線上にあった、
しかしiPhoneは、
むしろ携帯ではなく、
小さなコンピューターとして提案されたのである。
そこには恐ろしく大きな違いがあるのであるが、
後から見てみると簡単に思える、
そういう事も芸術性の不思議なのである。
すなわち、
iPhoneは携帯という意味や概念を超えたのである。
ある種、
携帯という事象の地平を超えたのである。
すなわちこの様な術が、
「芸術」なのである。
それはテクノロジーの研究開発では創造できない、
その様な類である事を忘れてはならない。
その様な振る舞いを理解し、
現在あらゆるところで言われている、
イノベーションというものを考えて欲しい。
それは、
決してテクノロジーの延長線上ではないのだ。
最先端で言われているイノベーションとは、
芸術の延長線上にある研究開発から創造される。
その上で、
企業などには顧問芸術家という重要性を考えて欲しい。
今回この様な文章を書いたのは、
全く未開の「企業顧問芸術家」というものを、
社会にプレゼンテーションしたかったからである。
その上で、
今後「顧問芸術家」というものが、
一般的に認識される様、
私も努力していきたい。
この文章を観て、
少しでも興味を持たれた企業は、
美学者母に問い合わせを頂きたいと思います。
mama@machromatic.net
美学者母