No.362

ストリートカルチャーから学んだ、
やった者勝ちの世界。
(DIY精神、身体論からプラグマティズム)

text : mama(美学者母)
2020年3月4日(水曜日
)執筆

 

 

僕はまさにストリートで育った人間です。
ストリートでは誰よりも早く行動したものが勝ちです。
これは非常に明快であり、
また非常に公平な評価であるのです。

その人間の生まれも学歴も関係ない、
その人間が好かれている嫌われているも関係ない、
政治も資本力も関係ない、
ただただそれを真っ先に「発見」し「行動」する。
それが唯一の評価の基準であり、
それはリスペクトの対象として観られる。

ストリートでは行動力こそが必要であり、
その行動力に必要な根本的原理が「勇気」なのです。

世の中には沢山のアイデアを持った人間が、
数えられないほど沢山います。
しかし現実的にそのアイデアのほとんどは、
可視化する事なく、
どんどんと消え去っていくのです。

それはなぜか?

その答えは簡単です。
行動に移さないからです。
移さない?ではないですね、
移せないのです。

 

まず前述した様に、
行動力の根本原理は「勇気」が必要だと、
そう書きました。
まず一番大きな壁として、
そのほとんどの人々が、
行動に移す「勇気」が無いのです。

どんなことでも、
誰もまだ行動していない事を、
現実的に行動に移すという事は、
かなり大きな勇気を必要とします。

この時点で、
そのほとんどのアイデアは消え去ります。

しかし次に大きな問題が訪れます。
自分のアイデアを実現しようと、
勇気を振り絞って行動に移そうとします。
しかしそのほとんどが、
「身体性」を伴わない、
「頭で考えた」机上の空論のアイデアであるので、
現実的にそれを行動する前提条件が無いのです。

そしてそのほとんどの人々は、
この過程を経て99.999%の人々が、
消え去っていきます。
これは私が41年間生きてきて、
実際に見てきた現実です。

実はほぼ全ての人々は、
自分自身が置かれている現実を生きず、
夢想や空論という中を生き、
それが自分の現実だと勘違いして生きているのです。
この様な勘違いしている人間は、
自分自身の人生や立ち位置は無い事にして、
夢想や空論を平気で自分の考えとして言えるのです。

それはSNSなどで常に目にします。

この様な人々は、
そもそも自分の考えを行動に移す事は出来ないのです。
それはなぜか?
先ほども言いましたが、
そのアイデアはそもそも身体性を伴っていない、
つまり行動する前提条件が無いのですから、
行動できるわけがないのです。

この様な人々は、
芸術、美術、ビジネス、政治、宗教、
この世の中に幅広く存在します。
例えば分かりやすく政治の世界で言えば、
日本共産党や日本共産党員はまさにそれにあたります。
自分たちは資本主義の民主主義国家に存在している、
その様な前提条件を無い事にしなければ、
そもそも共産党という政治思想が、
その資本主義の民主主義国家に内包されている、
という現実で大きな矛盾を生み、
そもそも存在自体ができないわけです。
それを無い事にしているから、
日本共産党は存在し得るのであって、
それはまさに親に保護してもらっている子供が、
親に反抗しているが、
自分がいかに親に保護してもらっているのか、
気づけないのと同じ状態なわけです。

 

この様な状況は、
例えば、
学問の為の学問、
哲学の為の哲学、
芸術の為の芸術、
などでも通底している問題です。

 

この様なことから私が何を言いたいのか、
というと、
全ては自分自身の人生や立ち位置、
というものから考え始めなければならない、
という至極当たり前のことなのです。

私はストリートの世界で、
18歳の時にこれを学び実践してきました。

「やった者勝ちの世界」、
一見聞くと容易い世界の様に思えますが、
実は非常に厳しく残酷で、
ドラスティックに勝ち負けが決まる世界です。
そしてその世界は、
自分自身の等身大、
つまりリアルな自分、
もっというと身体性の伴った思考により、
自分たちの置かれた状況や境遇に、
真正面から向き合い、
その少ないリソースを使って、
最大限のパフォーマンスを実現する。
つまり行動していく、
という事が評価され、
さらにその事がリスペクトされる世界なのです。

この様なストリートカルチャーは、
まさにプラグマティズム的であり、
またそれらの文化は、
アメリカ西海岸などから生まれてきた、
その事は非常に重要なエレメントです。

 

現在の日本の経済は斜陽の時代に入っています。
そして現在の世界的に時価総額が大きい企業は、
アメリカに集中してきています。

私はこの日本の斜陽の時代の、
大きな原因として、
ここまで述べてきた様な、
身体性を伴わない夢想や空論が、
大きな原因であると考えています。

これからの時代、
まさに身体性を伴った思考が重要であり、
DIY精神、プラグマティズム、
それらを実践していかなければならないのだと、
改めて強く認識するのです。

 

 

 

美学者母

 

 

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