No.395

「21世紀シン終末論」
(20世紀のバブル崩壊、
オウム真理教の地下鉄サリン事件、
レインボー2000。
そんな空気感がまた訪れている現在。)

text : mama(美学者母)
2020年10月17日(土曜日
)執筆

 

20世紀末に日本のバブルは崩壊した。

 

日本がバブル景気の頃は小学生くらいで、
特にこれといって記憶はない。
ある記憶といえば、
ジュリアナ東京のお立ち台で、
パンチラしている映像がテレビで流れていて、
興奮している自分くらいである。

そして中学校に入る頃には、
バブルは崩壊し、
高校卒業当時には、
就職先が全く無いという、
就職氷河期世代である。

しかし僕自身は、
大手製鉄メーカーに就職し、
全くもって就職氷河期という実感はない。

当時の私は、
小学校から高校まで野球少年で、
甲子園やプロ野球選手を目指し、
岸和田リトルリーグや岸和田シニアリーグ、
その後鳥取県へ野球留学し、
高校卒業後に新卒で、
大手製鉄メーカーに就職。

まぁ底辺ながらも、
普通に生活をしていたわけである。

 

しかしその時代を、
今振り返ると、
バブル崩壊後テレビでは、
心霊現象や超能力の番組ばかり、
挙げ句の果てには、
とんねるずの番組に、
オウム真理教の麻原彰晃が、
堂々と出演していた時代である。

子供の頃は理解できなかったが、
バブル崩壊後、
何も信じる事が出来なくなった、
日本の人々が、
超越的な力を求めていたことが理解できる。

つまり「スピリチュアル」が流行したのだ。

私は高校で野球部を引退してから、
ファッションや音楽、
ストリートカルチャなど、
最先端のものを追求していた。

例えば音楽だけの部分でいえば、
レゲエから入って、
ヒップホップ、
パンクやメロコア、
ソフトロック。

次はテクノにハマり、
トリップホップ、
サイケデリック、
最終的にはハウスが心地よくて、
最先端では、
ハウスに女性ボーカルという、
様式がブームになり、
様々なシンガーが産まれた。

例えばモンドグロッソは、
一番有名かもしれないし、
大沢伸一は典型であり、
また大沢伸一に見出されたシンガー、
としてbirdは有名である。

ある程度ハウスでおさまった後に、
僕はアンビエントなどを聴き出し、
最後にはノイズミュージックに行き着き、
オウテカなんかを聴いていたわけである。

しかしその頃には、
もう精神は崩壊していたのかもしれないwww

 

つまり僕は、
20世紀末の最先端を体験している。
それは音楽というものだけでなく、
グラフィティやスケートボードなど、
様々なカルチャーを実践していた。

その上で、
当時行われた日本でのレイブの原点と、
言われている「レインボー2000」は、
ある種衝撃的であり、
当時行きたかったが、
行けなかった記憶が鮮明にあるし、
その会場の雰囲気を映像で観た当時も、
衝撃でしかなかった。

これは若者文化の上で、
スピリチュアルが表層した、
シンボリックなイベントである。

つまりアメリカのヒッピー文化を継承し、
ある種音楽的なウッドストックを体現している。

テントの中でドラッグをし、
フリーセックスが行われる。

ある意味、
「スピリチュアル」の絶頂である。

この「レインボー2000」が開催されたのは、
1996年8月10日。
オウム真理教の地下鉄サリン事件が起こったのは、
1995年3月20日。

 

「スピリチュアル」と、
オウム真理教の地下鉄サリン事件の、
関係性を論じるものは多いが、
当然このレイブ「レインボー2000」と、
「スピリチュアル」も関係性は深いのである。

1990年代にバブル崩壊後、
「心霊現象」や「超能力」が、
もてはやされ、
「オウム真理教」が、
「神秘主義」や「神秘体験」、
また「輪廻転生」を原理に、
「ポア」を行う。

その様な、
「生まれ変わり」を根拠に、
「地下鉄サリン事件」が起こった。

つまり、
「スピリチュアル」の行き着いたものが、
「オウム真理教」であり、
「地下鉄サリン事件」である。

しかし、
現在において、
この様な「スピリチュアル」が、
原理として起こった事実を、
覆い隠しながら、
再度現在において、
「スピリチュアルブーム」が起こっている。

私はその事を非常に危険に感じている。

 

ではこれまでの日本での、
バブル崩壊後の「スピリチュアル」の歴史、
それを述べてきたわけだが、
現在においての、
「スピリチュアル」の現状を述べていきたい。

私は現在においての、
「スピリチュアル」は、
コロナ後の「スピリチュアル」と定義している。

また現在の「スピリチュアルブーム」は、
加速度的に広がっていく事を予測している。
それは「バブル後」の「スピリチュアルブーム」とは違い、
現在はインターネットが完全に普及している。

それは何を意味するのか、
それは「バブル後」の「スピリチュアルブーム」とは、
違った表層が出てくることが予想できる。

僕は現在でも一般の方々よりも、
様々な分野において感度が高いと考えている。
その様な中で、
様々なものが「スピリチュアル」な様相を呈している。
それは「ヒーリング」や「ASMR」の様に、
言葉をライトに又はソフトにすることで、
当時の言葉である「神秘体験」や「神秘主義」、
それらを覆い隠しているのである。

またファッションなどの分野でも、
アウトドアやキャンプなど、
ある種の「自然回帰」を軸に、
神秘主義や神秘体験への伏線となっている。

文化的には、
田舎暮らしや地方回帰などを軸に、
ファッションやデザイン、
アートの地方のトリエンナーレ含め、
ある種の「コンサヴァティブやクラシック」を求める。

その様な動向には、
「神秘主義」や「神秘体験」への、
伏線と考えることができる。
現在あらゆる領域で、
イノヴェーションが起こっていると同時に、
クラシックやコンサヴァティブ、
つまり古い時代に戻ろうとする、
強い動向を目にする事が多い。

これはある種「近代復興」なのである。

私の持論では、
「近代」は20年程度前に終わっているのである。
それはインターネットの普及と同じくしている。
現在この、
イノヴェーションを受け入れる人間と、
クラシックやコンサヴァティブに回帰する人間。

その二つに大きく分かれている。

そして、
後者である。
クラシックやコンサヴァティブに回帰する人間。
その人間たちに、
「スピリチュアル」というものが、
「近代復興」と共に「スピリチュアル復興」を、
共にしており、
その中で「オウム真理教」や、
「地下鉄サリン事件」が全く加味されずに、
「神秘主義」や「神秘体験」を
、 原理として他人の人生に立ち入っている。

僕は現在のこの様な現状に警鐘を鳴らしたい。

様々な分野に「スピリチュアル」は蔓延し、
それで利益を得ようとしている人々は、
まず、
「スピリチュアル」とは何なのか理解し、
それをしっかり説明できる知識を持たなければ、
無責任極まりない。

まず「スピリチュアル」を原理にしたものは、
そんな安易なものではないし、
様々な知識や倫理の上で有効である。

私が知る限り、
「スピリチュアル」という原理を使い、
利益を得ようとする人間に限って、
知識もなく浅はかな考えで、
その様な業を行なっている。

ですから、
安易にその様な人間や業には、
近づかないことをお勧めします。

そして、
この「コロナ後」の世界は、
ますます不安定な世界になり、
ますます人間は不安定な状態に陥ります。

だからこそ、
人間は「神秘」という、
「超越的な力」を求めて、
「スピリチュアル」を欲するわけです。

しかし私たちは「人間」です。
「人間」というものは、
「飛躍」などしません。

「人間」は日々の積み重ねでしか、
変わっていく事が出来ないし、
それが人間らしさでもあります。

貴方がいきなり、
明日違う人格や全く違う性格になっていた。

それは洗脳であり、
誰かに強制的に変えられたのであり、
貴方自身が変わろうとして変わったのではない。

だからこそ、
今後確実に来るであろう、
「コロナ後」の不安定な世界に備えて、
目の前の現実を、
少しずつ変えていかなければならないし、
それが「生きる」という事だと考えています。

 

 

 

 

美学者母

 

 

 

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