「助詞」は「もの派」的言語
「もの派」の作品は石や鉄といった素材そのものを作品としているわけですが、言語の中でも「助詞」は限りなくもの派的だ。
「助詞」がもの派的言語であることを説明するために、
比較対象として「名詞」を挙げると、
例えば「りんご」という名称には「丸くて赤色や黄色で甘酸っぱい果実で木でもあって…」といった様々な意味の集合であってその集合を指示している。
それに比べ、「助詞」は「私は」、「君が」の「は」や「が」のことで、
この「は」や「が」は「名詞」とは違って表意的でかぎりなくその文字自体が意味を表している。
「もの派」が扱う石や鉄などの素材においても、様々な意味の集合ではなく限りなく表意的であり、まるで物自体が露わになっているようなものだ。
表意的であるという共通性から「助詞」は「もの派」的言語であると考える。